【T8200PRO】負荷Q(loaded Q)、無負荷Q(unloaded Q)とはなにか

共振回路の「よさ」を表す指標としてQ(quality factor)がありますが、T8200PROでは負荷Q(loaded Q)または無負荷Q(unloaded Q)の検査が可能です。

負荷Q(loaded Q)、無負荷Q(unloaded Q)とはなにか

図1 負荷Qと無負荷Q

負荷Q(QL, loaded Q)

  • 測定対象物、測定アンテナ(プローブ)及び駆動回路の出力抵抗、受信回路の入力抵抗を含めた測定系全体のQを指します(図1参照)。
  • 「負荷Q = 共振周波数/帯域幅」で計算されます(図2,3参照)。帯域幅BWは、透過(S21)の場合は共振点から3dBの位置、反射(S11)の場合は全反射(0dB)に対して−3dBの位置とします。
  • 減衰量が大きい場合は(S21の場合は12dB程度以上、S11の場合は25dB程度以上)、駆動回路・受信回路の影響が無視でき、透過の場合QL≈Qu, 反射の場合QL≈Qu/2となります。

無負荷Q(Qu, unloaded Q)

  • 測定対象物、測定アンテナ(プローブ)部分のQを指します(図1参照)。測定対象物の固有のQに近い値となります。
  • 無負荷Qは、信号源抵抗・負荷抵抗を考慮した共振回路の理論式から算出されます。帯域幅は必ずしも図2,3のような「3dBの位置」とする必要がありません(任意の位置に設定可能です)。
  • 測定対象物と測定アンテナ(プローブ)の距離が変わっても、測定アンテナ形状・巻数が多少変化しても、無負荷Qはさほど影響を受けません。

図2 透過による共振特性検査結果(負荷Q)
図3 反射による共振特性検査結果(負荷Q)

図4 タグが多少湾曲していても無負荷Qならば影響を受けません
図5 透過による共振特性検査結果(無負荷Q)

設定方法

  1. トップメニューで[システム設定・メンテナンス]を選択します。
  2. 「Q値計算方法」欄で負荷Qまたは無負荷Qを選択します
図2 負荷Q、無負荷Q設定方法

反射特性検査において無負荷Qを出力する場合は、under-coupled(疎結合)/ over-coupled(密結合)のいずれかを指定します。

under-coupled(疎結合)

測定対象物と測定アンテナ(プローブ)の磁界結合が弱い場合はこちらを指定します。 測定対象物と測定アンテナ(プローブ)のサイズが大きく異なる場合、両者の距離が数mm程度以上離れている場合に該当します。

over-coupled(密結合)

測定対象物と測定アンテナ(プローブ)の磁界結合が強い場合はこちらを指定します。 測定対象物と測定アンテナ(プローブ)が同程度のサイズでかつ密着している場合に該当します。